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日本の母親は実質シングルのようなひとり子育て状態にある家庭も多い

あるシングルマザーは「平日は出張や残業、飲み会、休日は趣味の釣りやゴルフ、もともと夫はほとんど家にいなかったから、離婚しても私と子どもの生活はほとんど変わらない」と言いました。

別のシングルマザーは「元夫は家にいる時でも、テレビをみているかゲームをしているだけ。私ひとりで育児をしていたので、離婚したら、夫の世話をしなくていいぶんイライラが減って精神的に楽になった」と述べています。

これはごく少数の特別な家庭の話しではありません。日本の母親は、ひとりで子育ても家事もがんばっているケースが多いのです。

シングルのようなひとり子育て

多忙な父親

2019年4月から法律が変わり、「時間外労働の上限は月100時間未満」となるかもしれません。現在、政府は労働状況の把握に努め、調整に入っています。

とはいっても、長年続いた企業の体質はそんなに簡単に変わるわけもありませんから、日本のお父さんたちがいきなりヒマになって子育てや家事に携わる、というのは難しいでしょう。「かえって休日出勤が増えそう」「サービス残業が増えそう」という声もちらほら出ています。

イクメンという言葉が誕生し、昔と比べれば育児や家事を行う男性が増えたと言われますが、相変わらず父親不在の家庭が多いことには変わりません。現に、育児休暇を申請できるといいながら、「周囲に迷惑をかけてしまうから」「忙しすぎて休めない」と、実際に申請することをためらうといった企業も多く見られます。

子どもが起きる前に家を出て、子どもが寝てから家に帰るので、「次はいつ来るの?」「また来てね」などと可愛いわが子から言われてショックを受ける父親もいます。家族のために仕事をしているのに、これではあまりにもかわいそうです。

現実に、6歳以下の子どもを持つ父親にアンケートをとったところ、子どもが可愛い、子どもと一緒に過ごしたいと考えている人が96%にも上るのに、平日に子どもと過ごす時間が1時間未満という人が全体の37%、2時間未満は約27%となっていました。子どもと一緒にいたい、育児に携わりたいと考えてはいても、現状はなかなか難しいようです。

ひとりで子育てをする母親

最近よく耳にする「ワンオペ育児」。夫が単身赴任で不在のため父親不在で、ひとりで子育てをするしかない母親はたくさんいます。単身赴任家庭が実際にどのくらいあるのか調査はありませんが、厚生労働省が行なう国民生活基礎基礎調査によれば、男性で有配偶者の単身世帯は年々増加傾向にあります。

2005年から2010年の間の増加率は激しく、ついに約73万人になりました。中には別居中や妻が入院中など何らかの事情で単身世帯になっている人も含まれますが、その多くは単身赴任者と考えて差し支えないでしょう。

父親が単身赴任でなくても、ワンオペ育児を強いられている母親もいます。なかには専業主婦なので子育てはすべて自分が行なっているという家庭もありますし、夫がいても病気、多忙などの理由で子育てに参加しない家庭もあります。

「どうやって子どもと関わればいいか分からない」「子どもの扱いが苦手」などといった子どもっぽい理由で子育てに参加しない父親もいます。

文部科学省の中央教育審議委員会は、「これからの家庭教育のあり方」という答申で、「父親の家庭教育参加の支援と促進を提言することにしたが、…まず家族がそろって一緒に過ごす時間を多く持ち、一緒に生活や活動できるような環境を整えることが重要。…ともすれば責任が母親にゆだねられ、父親の存在感が希薄となっていることが指摘される」と述べています。

でも、いくら政府が“家族で一緒に過ごすように“と討論したところで、日本社会の仕組みが変わっていかないことには、夫婦で子育てを協力して行うのは理想にしかなりません。専業主婦でも共働きでも、家事と子育てを一人で行うのはつらいものです。男性が想像もできないほど過酷です。

それでも、夫が思いやりやいたわりを示してくれたり、褒め言葉や感謝の言葉を言ってくれればまだいいですが、家事も子育てもすべて妻に丸投げで感謝もしない、というのでは離婚や別居にいたっても自業自得というものです。

子育てに加えて夫の世話までしなくてはいけないなんて辛すぎます。母親のなかには、頼れる実家が側になく、友達もいないので孤独を感じたり、産後うつなどに悩む人もいます。

経済的な不安はないが、子育ての責任を抱える点では母子家庭と同じ

シングルマザーとして子育てをしていくうえで一番の不安は、やはり経済的な問題でしょう。子育てをしていくうえで大きな出費となるのは教育費です。

文部科学省の調査によれば、小学校から高校まですべて公立の学校に行った場合は約500万円、すべて私立校の場合は約1700万円(給食費や校外費を含む)かかるということが分かりました。さらに大学にいくとなると、国立大学でも自宅通学で約500万かかります。

私立であるならその倍以上かかりますし、学部や一人暮らしするかどうかによってもかかる費用が違います。母親一人でこれだけの教育費を支払うとなるとかなり大変です。

母子家庭の場合は、国から所得に応じて児童扶養手当がもらえます。さらに、医療費の減免などのサポートもあります。それでも母子家庭の約6割は貧困家庭です。経済的な面だけ考えると、確かに母子家庭よりは父親が働いている家庭の方が良いように思えます。

でも、たとえ両親が揃っていても、明日どうなるかは分かりません。収入が激減するかもしれないし、会社が倒産したり、リストラにあうことだってあり得ます。夫が病気になって働けなくなる可能性だってあります。

将来に対してまったく不安がないという人はいないでしょう。子育ての面でも同じです。外から見ても、家庭の内情というのは分からないもの。どんなに幸せそうに見えても、子育ての面で不安を抱えない親はいません。

子どもを育てる責任を負っているのはみな同じ。ひとり親家庭でも、両親が揃っている家庭でも、子どもを育てるのは難しいものです。ですから、子どもにしっかり愛情を注いで、子どもとコミュニケーションをとることが大切なのはすべての親に共通して言えることです。

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