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母子家庭の子どものメンタルケアを行うスクールカウンセラーの活動とは?

親が離婚した子どもが心に負った傷は、本人すら自覚していないこともあります。子どもの行動から心の闇を垣間見る事があっても、それを相談する窓口がどこにあるのかわからないため、放置してこじらせてしまうこともあるのです。

そんな子どもたちの心のケアを行う最も身近な窓口が、スクールカウンセラーです。小学生から高校生までの児童生徒に子どもだけでなく、保護者も含めた総合的なメンタルサポートをする臨床心理の専門家です。

学校の教室

臨床心理士や精神科医の他、大学の学長、教授等も含まれ、問題行動がみられる児童生徒とその親との関係、または担任教師との関係などから必要なケアを行います。

スクールカウンセラーが各学校に配置される様になったのは1995年からです。いじめによる自殺や殺人、東日本大震災などの自然災害による避難所生活や移住先での差別、離婚によりひとり親となった子どもとその親の心の傷など、心に大きな傷が残った人々の心のケアの需要が増えているのです。

この需要は増える一方で、カウンセリングのシーンはさまざまです。親や担任教師などのリクエストに応えるだけでなく、子ども自身がカウンセリングを希望するケースもあります。

当人同士が直接悩みをぶつけられない場合であっても、カウンセラーになら言えるということも多く、今では教育現場ではなくてはならない存在となっています。

そして母子家庭の子どもが抱える悩みの一つに、ひとり親であることへの同級生のからかいやいじめがあります。カウンセラーは休み時間の教室をチェックしたり、児童生徒の学校生活での様子を多角的にとらえ、カウンセリングが必要と判断した子どもをケアする必要があります。

スクールカウンセラーに寄せられる主な相談内容とは?

スクールカウンセラーに寄せられる相談内容で最も多いのがいじめ問題で、次に多いのが家庭環境です。両親の離婚によって家庭環境が大きく変わることは、子どもにとっては芯を揺るがす大事件です。

家族構成が変わるだけでなく住む場所や学校が変わることで、勉強の進み具合が違ったり、母子家庭ということに対する周囲の偏見やいじめがあったりすると、親子ともども情緒不安定になってしまいます。

そこで担任もしくは母親がカウンセリングを要請するのです。カウンセラーは、元の学校に戻ったり、平日は父親と生活して休日を母親と過ごすことにするなど、親子にとって最も良いと思われる方法を模索します。

親権が母親にあっても、父親と生活していけない事はなく、母子でどうにもならない時には父親や、祖父母にサポートを求める事も提案します。

離婚後子どもを引き取った母親が再婚した場合、新しい父親やその連れ子との関係が芳しくなかったり、母親による虐待など闇が深い場合、短い時間でのカウンセリングではできる事に限りがあるのが現状です。

増える一方の需要に応じて、スクールカウンセラーを配置させる学校は増え続けていて、中学校では6割以上が、高校では3割以上が週4時間以上の配置となっています。

スクールカウンセラーは全ての小中高校に常駐しているわけではありません。スクールカウンセラーがいない学校も多く、いる場合でも週に数時間滞在するのみで、タイミングによっては相談できないこともあります。

それでも、子どもが悩みを打ち明ける数少ない窓口の一つで、児童生徒本人と家庭、学校を繋げる重要な役割を担っています。母子家庭の場合、子どものメンタルに及ぼす影響について不安に思う母親の方にケアが必要なケースも多く、母親の心の安定を図ることで子どもの精神的安定に繋がるケースもあります。

子どもの心のケアには家族のサポートが必要不可欠です。スクールカウンセラーは、子どもの心を健全なものにするために、親を含めてのカウンセリングや、学校側に家族の支援を要請するなど、心のコンサルタントとして誰がどの様に動く必要があるのかも探っているのです。

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