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母子家庭の就職先の選び方

自分の要求にぴったりと沿った就職先を見つけるのはただでさえ難しいことですが、母子家庭となるとなおさらです。特に小さい子どもを育てているお母さんの場合は時間的な制限がありますから、「お給料が良くて条件のいい仕事」を探すとなるとなかなか大変です。

仕事探し

会社の業務内容をチェック

仕事を探す際にはやはり業務内容が自分に合っているものかどうかを吟味することが大切です。いくら条件のいい仕事でも、例えば引っ込み思案で人と話すのが苦手なのに業務内容が営業ではせっかく就職できてもストレスに悩まされることになります。

各地方自治体にはハローワーク(昔の職安・職業安定所)がありますから、一人で悩んでいないでまずは相談してみるのもひとつのアイディアですね。ハローワークには母子家庭で仕事を探しているお母さん専用の窓口「マザーズハローワーク」が設置されており、担当者が気軽に相談に乗ってくれます。

ハローワークでは仕事を探している人と働く人を探している企業のマッチングも行っていますので、まずは自分がどのような業務を行っている会社でどんな仕事をしたいのかを見極めてから相談に行くといいですね。マザーズハローワークのセクションにはキッズコーナーもありますから、子どもを連れて行っても安心して仕事探しをすることができます。

ハローワークは厚生労働省の管轄の公共施設ですから、仕事を紹介してもらってももちろん紹介料や手数料を払う必要はありません。ただし、ハローワークに登録されている求人案件に応募するためには必ずハローワークの紹介状が必要なことと、1日に3件までしか紹介状を出してもらえないことに留意しておく必要があります。

ハローワークの所内には求人情報検索用端末が設置されていますので、これを利用すれば地元の求人案件はもちろん、日本全国の案件を検索することができますから、Uターンして実家の母に子どもの面倒を見てもらいながら働く意向のある人も効率よく職を探すことができます。

子どもが寝静まった夜、自宅で落ち着いて就職先を探したいというのであれば、Webサイト「ハローワークインターネットサービス」を活用するのもおすすめです。

給料や時給は妥当な金額か

就職先の選び方として最もポイントを置いておかなければならないのはやはりお給料・時給の点です。せっかく子どもを預けて働いているのにお給料が安くて託児所のお金も払えないようではどうしようもありません。

ハローワークに登録されている案件は基本的にお給料が妥当な額に設定されていますが、交通費その他の手当がどうなっているかをきちんと確認することも忘れないようにしましょう。

休日や時間外勤務についての記載の有無

母子家庭のお母さんにとって、子どもとできるだけ長い時間一緒にいたいと思うのは当然のこと。ですからできるだけ休日が取れて時間外勤務が少ない職場を選ぶことが重要です。

ハローワークの求人は仕事内容や条件の記載が少ししかないのが特徴ですから、この辺りの記載がない時には担当者から会社に問い合わせをしてもらうようにします。

通勤手当の有無

快適な仕事場を選ぶためには通勤手当もチェックしておかなければならない大切な要素です。通勤手当が全額支給か一部支給かで家計にも大きく関わってきますので、不明な場合は問い合わせることをおすすめします。

また、通勤手当がたとえ全額支給されるとしても会社の場所が家から遠い、あるいは通いにくい求人案件はできるだけ選ばないのが得策です。保育園に預けていた子どもが急に発熱したなどといった場合に仕事場が遠いと本人が困るばかりではなく、仕事場にも迷惑がかかってしまいます。

転勤の有無

シングルマザーにとって勤務先に転勤があるかないかは重要な問題です。万が一転勤を命じられた時に住居や託児所の条件が整っているという保証はどこにもないので、少なくとも子どもが小さいうちは転勤のない職場を選んでおく方が無難でしょう。

正社員登用制度の有無

求人案件には正社員・アルバイト・時間給で働くパートなどさまざまな雇用形態のものがありますが、自分が本当にその職場に適しているか、長期間仕事をやっていけるかどうかが心配だという人も多いと思います。

そんな人のことを考慮して、ハローワークでは「トライアル雇用」という制度を設けています。これはいわば「お試し期間」のようなもので、まずは希望の職場で3ヶ月間、実際に業務を体験します。

企業の方ではこの3ヶ月間、あなたの仕事に対する適性や同僚との調和性、能力などを見ます。3ヶ月間のトライアル期間が終わった時点で双方の合意が得られればそこで常用雇用ということになります。

厚生労働省が発表している資料によれば、トライアル雇用の期間を無事終了した人の約8割は本採用へと進んでいます。このように便利なトライアル雇用制度ですが、希望するすべての人に適用されるわけではありません。

母子家庭のお母さんや生活保護受給者、日雇労働者、ホームレスなど特別の配慮を要する人や直近で1年以上失業している人など、所定の要件をクリアしており、しかも公共職業安定所長が職業相談をした上でトライアル雇用が適用されると認めた人のみが対象となります。

ですからシングルマザーならまず間違いなくトライアル雇用の恩恵を受けることができます。トライアル雇用と言ってももちろん3ヶ月の間お給料ももらえますので、ぜひこの制度を利用することをおすすめします。

母子家庭のお母さんの就職というのは何もデメリットだけではありません。「今まで会社勤めをしたこともないし、特別なスキルもないから就職なんて無理かも」とあきらめるのはよくありません。

シングルマザーを正社員として雇用する企業の側にもそれなりの恩恵がもたらされますので、むしろ積極的にシングルマザーの雇用に取り組んでいる企業もあります。

「特定求職者雇用開発助成金」がその制度で、ハローワークを通してシングルマザーあるいは60歳以上65歳未満の高齢者、障害者などを正社員にすると国からの助成金が出ます。助成金の額は週30時間以上の正社員として一人雇用した場合で60万円となります。

尚、この助成金は正社員ではなくてパート社員を雇用した場合にも支給されますが、その際の助成金額は40万円となっています。

社会保険の有無

女手ひとつで子どもを育てていくのは大変なこと。働く場所を探しているのであれば、福利厚生がしっかりとしたところを選ぶことも大切です。シングルマザーの中には会社で働いているにもかかわらず、社会保険に加入しておらず、国民健康保険料を払い続けている人もいます。

国民健康保険料は自治体によって金額が違いますが、国民年金の方は毎月16,260円。一方、会社の社会保険に加入した場合には月に約9,500円の保険料(年収が約120万円の場合)とかなり安くなります。

国民健康保険の場合にはすべて自分で払う必要がありますが、社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険)であれば会社が保険料を半分負担してくれますし、長い目で見れば老後はこちらの方がはるかにお得です。

「母子家庭で働いている時間も少ないから私には無理」と決めつけず、勤めている経理の担当者に一度相談してみることをおすすめします。平成28年10月からは社会保険の適用範囲が拡大されましたので、正社員ではなくパートとして働いている人でも十分に必要条件をクリアすることができます。

ちなみに新しい適用条件は「週20時間以上勤務していること」「月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)であること」「勤務期間が1年以上の見込みであること」「従業員501人以上の企業であること」の4つとなっています。

ただし社会保険の半額負担を渋るがゆえに社会保険に加入してくれない会社も全くないとは言えないので、社会保険に関する疑問はできれば入社前に解消しておくことが大切です。

雇用保険の有無

雇用保険というのは一般には「失業保険」と呼ばれているもののことです。会社に勤めている間はこの保険金が天引きでお給料から差し引かれます。

雇用保険に入っておけば、何らかの理由で現在の仕事をやめた場合でも、次の仕事が見つかるまで国から「基本手当(失業手当)」をもらうことができます。

雇用保険の受給額は「失業保険の受給額=基本手当日額×所定給付日数』」という数式で表されます。基本手当日額というのは一日あたりの受給額のことを意味し、退職前6カ月の賃金合計を180で割った賃金日額に「給付率」という係数をかけて割り出します。

賃金日額は年齢に応じて下限額と上限額がありますが、給付率は45%から80%とかなり変動し、複雑な計算式で算出しなければなりませんのでハローワークに問い合わせてみるのが確実です。

事業者が「1週間の所定労働時間が20時間以上あり」しかも「31日以上の雇用見込がある」人を雇い入れた場合、雇用保険制度に加入することは義務となっています。

この雇用保険加入義務は企業の規模とは関係がありませんが、自分が雇用保険制度に加入しているかどうかはハローワークに問い合わせてみるのが一番です。

現在勤めている会社を辞めてから初めて勤務先が雇用保険の加入手続きをしてくれていなかったことに気づくというケースもけっこう多いのですが、退職後に気づいた場合にはさかのぼって加入することも可能ですから、あきらめずに手続きをしてもらうように交渉するべきです。

雇用保険は正社員はもちろんのこと、パートやアルバイト、派遣社員にも適用されます。勤め先を探す際にはただ漠然と勤務地とお給料のみで仕事先を選ばずに、待遇面がきちんとしている企業を選ぶことが大切です。

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