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母子家庭の子どもの反抗期の乗り越え方

ひとり親の多くは、離婚したことで罪悪感を抱き、子どもに対して申し訳なく思う気持ちが強いものですが、それが過ぎると子どもにとっても悪影響があります。

ひとり親であることのハンデを埋めようと、父親の役目も果たそうとして子どもを厳しく躾けてしまうと、子どもは家にいる事に息苦しさを覚えてしまうのです。

シングルマザーでなくとも、わが子には大人になって独り立ちできる人間に育てたいと思うのは当然のことですが、愛情のかけ方を間違えてしまうと子どもの心に傷をつけてしまう危険性があることを考慮しなければなりません。

子どもにとって何よりも大切なことは、掛け値なしの無条件の親の愛情ですが、子どもがそれを感じられなければ意味がありません。

子どもが成長する過程で通る2回の反抗期

中学生たち

子どもが成長する過程で大きく分けて2回の反抗期がありますが、最初の反抗期は幼児期にあります。幼い子どもが親に反抗するのは、親の手を借りずに自分でやりたいと思う気持ちが根底にあります。

人間として独り立ちする第一歩でもあるので、この時期に手をかけすぎると依存心が芽生えてしまうため、厳しくしすぎず甘やかしすぎず、ちょうど良い距離感を保つことを心掛ける必要があります。

父親が居ないことを不憫に思う気持ちの裏返しで甘やかしてしまうと、大人になっても母親依存が抜けきれず子どもにとっても良い事ではありません。子どもにも愛情がわかる様に接する事は重要ですが、子どもがすること全てに手を貸してはいけません。

子どもができないことをうまくサポートしてできるようにしてあげて、できたら褒めてあげることで子どもの中に達成感が生まれます。いつでも母親はそばで見守っていて自分を応援してくれているという安心感があれば、子どもの心に歪が生じる事はありません。

もう1つの反抗期はいわゆる思春期で、体が最も成長する小学校高学年から高校生までを指します。中には反抗期が無いまま成長する子どももいますが、多くの子どもがこの時期に親に対して強く反発する傾向にあります。

この時期の子どもが接する社会は家庭と学校です。場合によっては塾や習い事なども含まれますが、社会の中での自分の存在を強く意識する時期です。

主観的な自分と、他人というフィルタを通して見る自分を比べ始める時期でもあるのです。それがあまりにもかけ離れていると不安や苛立ちが強くなり、身近な大人に対して八つ当たりすることがあります。

親はどんな状態でも子どもを受け止める事で、子どもは反抗しつつも、誰に否定されようと母親はそのままの自分を受け容れてくれることを無意識の内に知ることになるのです。子どもの反抗に対して理詰めで対応する事は逆効果で、愛情を持って受け容れ、思春期が過ぎるのを待つことが肝要です。

思春期の子どもは心も体も変化が大きく不安定であることを理解する

揺らぐ思春期の子どもの精神状態に向き合うことは、親にとっても大きくストレスになることがあります。親がしてあげられることは、子どもが成長するのを愛情を持って見守り、甘えたい時に甘えさせてあげる事です。

子どものする事にいちいち口出しをしたり、あまりもダメだしが多いと、ただでさえストレスで限界の子どもはキャパを超えてしまい暴言を吐いたり、時に物に当たったり暴力をふるってしまうこともあるのです。

難しいのは、腫れ物に触る様な接し方では子どもは親を舐めてかかり、もし道を外れそうになった際に軌道修正ができなくなります。子どもが抱えている悩みやストレスを相談して欲しいと思う気持ちがあっても、多くの子どもはそれを拒む傾向にあるものです。

何が問題なのかを知ることも大切ですが、外で何が有ろうとも家には居場所があることを実感させるために、いつもと変わらぬ母親でいれば良いのです。

そうは言っても母親である前に一個の人間ですから、働きに出ていれば嫌なことは必ずあり、ストレスで何もかも投げ出したくなることもあるでしょう。疲労感から無気力に陥ることもありますが、母子家庭で母親がつぶれてしまったら子どもはどうする事もできません。

ただでさえ精神的に揺らぐ時期に、母親が病気や過労で入院する様なことがあれば、それだけで子どもは出口のないトンネルに入り込んだ様な気持ちになってしまいます。子どものために頑張っているはずが、子どもを追い詰める結果にもなりかねないのです。

子どものストレスのはけ口になれるだけのキャパを保つため、子どもの祖父母に預けるなど、誰かに助けを求める事は母子にとって必要不可欠なことでしょう。

親に反抗できるのは、自分の態度によって親の愛情が揺らがないことを知っているから

離婚によって父親が不在であることを子どもが寂しく思うのは当然のことですが、それが原因で非行に走るというわけではありません。両親の離婚により母親に引き取られることは、子どもの目線では父親が自分から去って行った様に見えています。

そのため、母親も去っていくかも知れないという恐れが潜在意識の中にあり、反抗的な態度を摂ることで母親が自分から去って行かないことを無意識に試すのです。反抗は母親の愛情を推し量る行ためでもあるので、母親の愛が盤石であることを示すだけで良いのです。

シングルマザーの多くは仕事を複数掛け持ちしていて、自身も疲労やストレスでぎりぎりの精神状態になってしまうことがあります。子どもの反抗を許容するためにも、息抜きやストレス解消できるものを見つける事が重要です。

家ではいい子、外で態度が悪くなる子は、家でいい子でいることにストレスを抱えている可能性がある

家と外とで態度が違う場合、多くは外では良い子で家では反抗的というケースが多くあります。学校では勉強ができてクラスメイトとの関係も良好な子で、近所でも挨拶をしっかりする素直な良い子でありながら、家では真逆で、反抗的で親の言うことをきかない子どもは少なくありません。

それは、期待され褒められることで、その人達の期待を裏切りたくないという思いが強いために精一杯外で頑張ってしまい、そのストレスのはけ口が家庭であり親になるからです。

その真逆のケースが、外では悪童で家では優しい良い子です。期待に応えたいと思う相手が母親なのです。母親の苦労を見ているため、わがままを言わずに我慢し続けた結果、学校がそのストレスのはけ口となってしまうことがあります。

家でも外でも良い子で居続けることは思春期の子どもには難しく、内と外とで極端な性格の違いを演じる事で、知らず知らずに自分の心の均衡を図っているのです。

わが子が聞き分けが良すぎると感じたら、外の評判が悪い可能性もあり、必ずしも安心できません。家庭訪問や保護者への連絡帳などに子どもの態度について指摘されることがある場合、「家では良い子なのに何故?」と問いただす前に、子どものストレスが少しでも緩和される様な工夫が望まれます。

例えば、仕事を掛け持ちして疲れた姿ばかりではなく、親も好きなことをして生き生きしている姿を見せたり、家事を少しサボって見せるだけでも子どもの緊張が和らぎます。また、子どもがやりたくないことを強要せず、やりたいことにブレーキをかけ過ぎないなどのコントロールが有効です。

本来一番気を抜いても良いはずの家で気が張っているのでは、子どもにとって安らげる場がありません。少しくらいわがままで、悪い子の部分がある方が正常なのです。

親への反抗は自立に向かう第一歩と考え、少し離れた位置から根気よく見守ることが大切

身体の成長と共にメンタルも大きく成長する思春期は、個性がこれまで以上に明確になる時期でもあります。学校という社会は同年代の個性がぶつかり合い、時には強い拒絶や反発が生まれます。いじめや喧嘩などのストレスが原因で子どもの気持ちが内に向いてしまい、外の人間とのふれあいを恐れる様になる可能性もあります。

親は子どもの一挙手一投足に神経質になり過ぎてはいけません。子どもの気持ちを思いやることは大切ですが、ステップアップするのをサポートしすぎては自立を妨げてしまいます。

幼児期の子どもでは、親の手を借りずに自分でやり遂げたいと思う気持ちが、成長するためには必要です。思春期も同様で、自分の力だけでステップアップしなければ達成感が得られません。うるさがられたら一歩下がって手や口を出さない様にすることです。

ただし、放置する事もまた子どもにとって歓迎できない状況です。子どもはわがままであることを前提に、多少の矛盾や理不尽には目をつぶり、つかず離れず、でもいつでも見守っていることを理解してもらうことで、家は居心地の良い場所になるでしょう。

反抗期は両親が揃っていようとひとり親であろうと、最も深くかかわるのは母親です。母親が子どもの態度に目くじらを立てて親子喧嘩が絶えないなどと言うことの無いよう、母親も外のストレスを家に持ち込まず、頭の切り替えを明確にすることが重要です。

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