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母子家庭を支援する職業訓練事業

画像の説明

母子家庭の母親の中には、それまで専業主婦だったという人も少なくありません。
そんな母親たちが急に職を探したところで、残念ながらなかなか思うように見つからないというのが現状です。

子どもがいるというだけでも採用されにくい現実がある中、これといった資格や技術もない場合はさらに就職が困難になると言わざるを得ない世の中ですので、そんな母子家庭の母親を支援する職業訓練事業が国によって打ち出されています。

高等職業訓練促進給付金事業

母子家庭の母親に対する職業訓練の代表的なものが、高等職業訓練促進給付金事業です。

就職に有利になるような資格や技術、経験等のない母子家庭の母親を最大限に支援するためのもので、職業訓練を受ける事ができるだけでなく、その間の生活を支援するための給付金が受けられるようになっています。

就職に有利となりそうな資格を取って少しでも豊かな生活を送りたいと考える母子家庭の母親にとって、こうした支援策は最低限必要なものとなっており、年間利用者数も非常に多くなっています。

職業訓練の種類

就職に有利とされる職種の資格取得が柱となっています。
たとえば看護師、准看護師、保育士など人材不足に悩んでいる職種や、介護福祉士、理学療法士、作業療法士など高齢化社会を支える人材の不足に悩んでいるような職種がメインとなっています。

特に看護師においては、都心部では時給にして2,000円台が当たり前となっており、かなりの高収入が見込まれるため自立を目指す人たちに人気です。

対象者

自立を目指すものの、就職に有利になる資格や技術等のない母子家庭の母親をはじめ、同じように自立を目指している父子家庭の父親も対象となっています。

ただ、「母子家庭」「父子家庭」というだけでこうした支援制度が適用されるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

給付金について

資格取得のために職業訓練を受けている期間中は、通学等が必須になるため満足に仕事をする事ができません。
しかしこれでは母子家庭が生活を維持していく事は不可能となってしまうため、所得水準に合わせて給付金の支給が受けられるようになっています。

2年間という上限を設けてはいますが、住民税非課税世帯の場合は月額10万円、住民税課税世帯の場合は70,500円となっています。
給付金が受けられる事で生活の心配をする事なく、安心して職業訓練を受ける事ができるはずです。

訓練修了後の現実

就職のために、自立に向けて…という目標を持って職業訓練を受け、給付金も支給されていたはずなのに、現実は支援を行っている国の思惑とは大きくずれているようです。

&deco(#CD384B){平成25年度の給付金支給総件数は7,875件となっているものの、実際に資格を取得した人の数は3,212人と給付金支給総件数の半数にも満たないという現実があります。
さらに、職業訓練を修了しても就職をしない人はもっと多く、実際に資格を取得した3,212人のうち就職に結びついたのはわずか2,631人となっています。};

結果だけを見れば「支援制度を悪用したのではないか」といわれても無理はないのかもしれません。

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