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母子家庭の国民健康保険料の免除

国民健康保険

低所得となりがちな母子家庭は国民健康保険料が免除されるという話を耳にする事があります。

しかし実際は、国民健康保険に《免除》という制度は存在せず、《減免制度》《軽減制度》という対策があるのみです。

軽減制度その1

国民健康保険料の判定を行う基準日において、前年度の所得が一定額以下だった場合、均等割額および平均割額を減額してもらえる制度です。

この際、特に手続きや申請等は行わなくても、所得が一定額以下と判定されれば自動的に保険料は減額と決定されます。
母子家庭は国民健康保険料が免除される、と言われる事があるのは、実はこの制度の利用が大幅な解釈で伝わっているものと思われます。

《判定基準日》

通常は4月1日となります。
年度の途中で他の自治体から転入等してきた場合は、新規加入した日を判定日とします。

《判定の対象となる人》

  • 国民健康保険加入者
  • 擬制世帯主(国民健康保険に加入していない世帯主)
  • 旧国保被保険者(国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行し、世帯状況に変更がない人)

《所得額と減額の割合》

  • 7割減額:33万円以下
  • 5割減額:33万円+(26万5千円×対象者数)
  • 2割減額:33万円+(48万円×対象者数)
    平成28年度軽減対象の場合)

《計算例》

ここでは、国民健康保険に加入している3人家族として計算してみます。

  • 5割減額:33万円+26万5千円×3人=112万5千円以下
  • 2割減額:33万円+48万円×3人=177万円以下
    それぞれ、計算によって算出された数値以下の場合に、減額の対象として認定されます。

注意したいポイント
給与所得者の場合は所得の申告を行う必要がない場合がほとんどですが、自営業者や無職で収入のない人の場合は、毎年一定時期に確定申告などによる所得の申告を行う必要があります。

この所得の申告をしていない場合、国民健康保険料の減額をしてもらう事はできませんので、毎年所得の申告は確実に行っておきましょう。

軽減制度その2

後期高齢者医療制度に移行した旧国保被保険者と同じ世帯に国民健康保険加入者が1名いる場合旧国保被保険者に該当してから最初の5年間の医療分・支援金分の平均割を1/2減額し、その後3年間にわたって1/4を減額することができます。

なお、この減額制度の利用には特別な申請等は必要ありません。

減免制度

災害や病気など、また、会社都合の解雇などによって一時的に保険料を納めることが困難になった場合一定期間の間は保険料を減額、免除できるという制度です。

この場合、保険料が減額および免除できる期間は一定期間と決められており、また、この制度の利用には申請を行う必要があります。

国民健康保険に免除制度はない

国民健康保険料は、国民年金とは異なり免除と言われる制度がありません。

厳密に言えば、病気や災害など突発的なでき事によって一時的に経済的な困難が生じた際には一定期間のみ免除という事もあるようですが、慢性的な低所得や母子家庭だからといった理由で国民健康保険料が免除になる事はないのです。

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