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母子家庭と保育園

母子家庭では幼稚園でなく保育園に子どもを預ける割合が多いという現状があります。

と言うのは、幼稚園では帰宅時間が早いため、フルに働いて収入を得る事に支障があり、また、お弁当持参など手間のかかる事が多いのも理由のひとつとなっています。
こんな保育園利用の母子家庭について、解説していきます。

保育園利用率は一般の2倍

保育園の利用

こう背労働省の調べによると、母子家庭の保育園利用率は約62%で、そうでない世帯の利用率約33%と比べておよそ2倍となっています。
さらに、父子家庭ともなると保育園利用率は約68%で、母子家庭のそれよりも高い割合を占めています。

母子家庭が幼稚園でなく保育園を選択するのにはさまざまな理由がありますが、もっとも大きな理由は預ける事のできる時間の長さでしょう。
幼稚園は14時前後には帰宅するため、それでは満足に仕事をする事もできず、生活していく事ができません。

それに対し保育園は、延長保育も含めると20時前後まで預かってもらえるところも少なくありません。
また、朝は7時前後から保育開始も可能で、フルに働きたい母子家庭の母親にとって、なくてはならないサービスとなっています。

このような理由で母子家庭や父子家庭は保育園の利用率が高くなっていると考えられます。

保育園への優先的入園措置

母子家庭の子どもは、優先的に保育園に入園させてもらえるようになっています。
しかしこれは母子寡婦福祉法によって特別な配慮をするよう求めているというレベルのもので、自治体によってその対応は異なります。

たとえば横浜市は、《母子家庭は優先的に入園できる》とうたっているものの、母子家庭であるために就職先が見つからず就職活動をしているという状況の場合は《仕事をしていないから》として母子家庭であっても優先的な入園を拒絶します。

そのため、保育園が決まっていない状態で面接に行っても「採用になった場合、子どもはどうするのか?」と言う質問が飛んでくる事になります。

こうした悪循環のために、仕事も決まらず保育園にも入園できず…という思いをしている母子家庭は、実は本当にたくさんいるのです。

保育料減額・免除

母子家庭の多くは低所得なため、前年度の所得に応じた保育料の減免および免除制度が利用できます。
また、第2子の保育料は半額、第3子の保育料は無料になるなどの制度の利用も可能です。

子どもを預けなくては働けず、生活を維持していく事が困難な母子家庭だからこそ、こうした制度はとてもありがたい存在となっています。

中には差別もある

一昔前は、母子家庭だと言う事がわかると「あの子とは遊んじゃだめ」というような事を子どもに言う母親も多く存在していました。
最近では母子家庭も珍しい存在ではなくなりつつありますが、それでも地域によっては根強い「母子家庭差別」が残るところもあります。

保育園に子どもを通わせるようになると、ママ友という形でいろいろな人と仲良くなる場面も出てきますが、家庭環境について話した結果、子どもにもそれが伝わり、子ども同士の間で「○○ちゃん、パパいないんだよね~」など言われる事も実際にあります。

ですので、ママ友ができたとしても、ある程度の信頼関係ができるまでは、詳しい家庭の状況などはあまり話さないほうが無難な場合もあるでしょう。

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