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DVで家を出る場合には、安全確保が最優先

ドメスティック・バイオレンス(DV)という言葉が定着して久しいですが、男性が女性や子どもに対して暴力を振るう場合、子ども時代に親から虐待を受けていたことが原因のケースがあります。その親もまた、親から虐待を受けていたという負の連鎖があるケースが多いのです。

暴力イメージ

夫がDVであることが分かったなら、わが子を父親と同じDVを行う大人にしてしまわないために、できるだけ早く父親から離すことが重要です。夫による暴力から子どもを守ることができるのは母親だけなのです。精神的にダメージを蒙る前に、自分自身と子どもの安全確保をしなければなりません。

暴力は何も肉体によるものとは限りません。言葉の暴力は殴られる以上にダメージを受けてしまう可能性があります。生活費を渡さないなどの経済的暴力で自由を奪われるケースもあり、暴力の形は加害者の数だけあると言っても過言ではありません。

肉体的暴力の引き金の一つが飲酒です。お酒を飲むと妻子に暴力を振るい、妻が子どもを連れて家を出ると泣いて謝るため、妻は「この人には私がいなければならない」と思い込んでしまいます。

しかしながら、これこそが自分自身と子どもを危険に晒す考え方なので、夫の暴力が始まったら離婚を真剣に考えた方が無難です。暴力が子どもに及んでからでは遅いので、早く決断しましょう。

暴力を振るう人間は、時としてストーカーとなることがあります。逃げた妻子の居場所を突き止め、執拗に付きまといます。厄介なのは配偶者だったため実家の住所を知っていることで、最悪の場合は実家に被害が及ぶこともあるのです。

暴力により怪我を負って警察沙汰になったり、最悪のケースでは殺人に至るケースもあるため、家庭内暴力だからと我慢せず逃げる事をおすすめします。

配偶者からの暴力を市役所や区役所の窓口に相談することで、DVシェルターに逃げ込むことができます。シェルターには民間シェルターと各自治体が管理する緊急一時保護事業があり、一時的に母子を施設に入所させ保護を行うものです。

ただ、シェルターによっては、入所者からまるで牢獄の様だと不満の声が聞かれるケースもあります。早く仕事を見つける様に施設職員から強く言われたり、子どもが児童相談所に保護された事で子どもとも別れざるを得なくなり、孤独感を募らせる女性も大勢いるのです。

もちろん、全ての自治体の対応が悪いわけではありません。自治体は一時的に母子を保護し、その後自立支援のためにさまざまな情報の提供を行っています。さらに、住居の確保や、就労支援や福祉施設利用のサポート、被害者の心のケア、子どもの心のケアや就学などに関する支援も行っています。

自治体によっては医療期間とも連携し、DV 被害の可能性のある患者に対してDV相談機関に相談する様促すなど、母子の将来を見据えた支援を行っています。施設によって職員の対応にばらつきがあるとしても、DVシェルターに一時的に避難することは、DVから逃れる有効な手段だと言えるでしょう。

子どもはDVを知っているケースが多く心のケアが必要です

暴力による被害は肉体ばかりではありません。心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、長期にわたり投薬治療を余儀なくされるケースもあります。直接暴力を受けていなくても、DVの現場を目撃した子どもがPTSDになることも多く、心のケアが必要なのです。

宇都宮市の「配偶者からの暴力に関する調査」によると、DV被害者の子どもの8割が父親の暴力を知っていたと回答しています。父親が乗っていたのと同じ車を見ただけで震えだしたり、大きな物音に過剰反応するなどの後遺症があるのが現状です。

また、DV被害者の子どもが直接暴力を受けているケースもあり、肉体的、心理的、性的被害者となっているのです。暴力にさらされた子どもはトラウマを抱えることとなり、長期にわたってカウンセリングを受けなければなりません。

DV防止法では、DVの目撃も子どもへの心理的虐待としてされています。後遺症として友達ができないなど、良好な人間関係を構築できないケースが多く、社会生活に支障を来す結果となっています。

年齢性別に関わらず、PTSDはひとたび発症すると完治は難しいと言われる神経の病気です。さまざまな症状がありますが、身体にも影響が及ぶため、日常生活にも支障を来すことがあります。

そのため、心療内科医や精神科、神経科に通い薬による治療を行いますが、対処療法でしかなく、根本治療法は確立していません。ただし、意思の力で薬を少しずつ減らしていき、数年で薬からの脱却を図ったケースもあります。

薬は様子を見ながら薬を変更したり、増やしたり減らしたりして医師と二人三脚で治療に当たりますが、治療薬の中枢神経刺激薬を服用した結果、自分でもコントロール不可能な躁状態になり、異常行動をとってしまうという副作用があるなど、いまだ治療は手探りの状態と言っても過言ではありません。

暴力により心に傷を負うと言うことは、長い年月その傷と付き合っていかなければなりません。DVは許されざる犯罪なのです。

配偶者によるDVからはできるだけ早く逃げる決意を!

夫からのDVは死に至る可能性もある大変危険なものです。暴力を振るった後に優しくなったり、泣いて謝るなどの行ためが離婚を思い留まる要因ですが、自分が許容できるかどうかよりも、子どもや自分自身の実家の家族にも害が及ぶことを考慮し、被害を最小限に抑えることを考えなければなりません。

離婚すれば解決するというものではなく、その後逆恨みから殺されたケースもあるので、夫の目の届かないところに逃げることを一日も早く決断することが肝要です。決断が遅れれば、それだけ自分と家族を危険にさらすことになってしまいます。

暴力を我慢する必要など何一つありません。逃げても良いのではなく、逃げなければならないのです。パートナーによる暴力は付き合っている間は無くとも、結婚したとたんに始まる場合があります。結婚式に大勢の友人や親せきに祝ってもらったのに離婚なんてできないなどと思い悩む必要はなく、安全確保が最優先なのです。

DVを許してしまうことは、自分だけでなく子どもを危険にさらすことになり、最悪のケースでは死に至ることもあるという現実から目を反らしてはいけないのです。

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